運搬に活躍した在りし日の寿都鉄道
寿都鉄道は、函館本線現役の駅である黒松内駅と寿都駅を結ぶ路線でした。
距離は16.6km、5駅のうち黒松内を除く4駅が廃止されました。
寿都鉄道は、寿都港からニシンを運んだり、沿線で採掘される鉱石を運んだりする役割を果たしていたそうです。
また当初は黒松内→寿都→余市を結ぶルートが計画されていたとも言います。
(参考:本久公洋『北海道の鉄道廃線跡』「寿都鉄道」の項)
しかし他の廃止された路線と同様、時代の流れに伴う鉱山の閉山やニシンの不漁などを要因として、1972年に寿都鉄道は廃止されることになりました。
廃止された4駅については、駅があったことがほとんどわからない状態になっています。
しかし各駅の跡地に駅名標のレプリカが設置されており、寿都鉄道の痕跡を今に伝えてくれています。
各駅の様子(2018年撮影)
黒松内駅
函館本線現役の駅黒松内です。
黒松内駅は函館本線のいわゆる「山線」に属する駅です。
「現役」と書きましたが、北海道新幹線延伸に伴いこの「山線」はバス転換することが決定しています。
近い将来この駅から電車に乗ることはできなくなります。
駅舎もどうなるかわかりません。
現役当時の姿を残しておきたいと思います。
中の川駅
「中の川地区集会所」の建物前に駅名標のレプリカが設置されています。
2018年当時はこの集会所にたどり着けなかったため実際の写真は撮影できていません。
湯別駅
「湯別会館」「湯別簡易郵便局」の前に駅名標のレプリカが設置されていました。
樽岸駅
「樽岸会館」前に駅名標のレプリカが設置されていました。
ただどうやら閉業してしまったようで、今後建物や駅名標がどうなっていくのかはわかりません。
ニセコバスの「樽岸」停留所が目の前にあります。
こちらの停留所は現在も使用されているようです。
寿都駅
駅跡は寿都町役場になっています。
まとめ
寿都鉄道の駅跡をめぐりました。
駅名標のレプリカがなければ駅跡であることがわからないほど、痕跡は確認できませんでした。
廃止されてから50年余り、跡地が自然に還るには十分な年月なのかもしれません。
駅名標のレプリカがいつ頃設置されたのかはわかりませんが、これからも寿都鉄道があったことを伝え続けてほしいなと思います。
正直なところ「中の川駅」が心残りなので、実際に駅名標を撮影しに再訪したいと思っています。
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寿都鉄道跡をめぐりおやつに美味しい鮭とば、なんていかがでしょうか?
以上で終わります。