相棒season21放送当時(2022年10月~2023年3月)の感想記事です。
第19話「再会」感想
★すばらしい。
最終回を前にして、これまでの相棒を振り返るという意味も込められた、不思議な雰囲気の漂う回。
事件そのものの真相という点で21-15「薔薇と髭と菫たち」には及ばないけど、間違いなく今シーズン2番目か3番目にはくる面白さでした。
★山での遭難中に出会う人達が歴代相棒と同じ名前。
「出来すぎ」と言われることを分かった上で、あえてやっているのかと思ったら…
夢オチという形で「出来すぎ」を納得させるとは!
うまいなあ~と素直に思いました。
★いや、実は「カブラギです」と言った時点で、予想はついていたもののちょっとむずむずしちゃったんですよね(笑)。
なんというか、あ、やっぱりそう来るか…嬉しいけど…なんだかちょっと…背中がむずむず、という感じ。
わかりにくいですね(笑)。
でもそういうのも含めて、今回は「あえて」を楽しもうと思っていたから余計に、夢オチに「やられた~」と思いました。
こういう風に、自分が予期しない方向へ感情を持って行ってくれるストーリーは文句なしに好きですね。
★別荘の住人、バス停で待つ人、消防団の人、みんなどことなく歴代相棒に寄せた容姿をしていて、かつセリフも本人とリンクしたもの。
後で見返したら、別荘の「カンベ」さんはゲロルシュタイナー飲んでるよ!
神戸君愛飲のお水。芸が細かい。
そしてうろ覚えだけど「ではまた、いつかどこかで」って、神戸期ラストのセリフではないかな?
★「ではまた、いつかどこかで」→最終回に神戸君降臨!の流れが最高(笑)。
神戸君は確か「亀山さんとも会ってみたい」と言っていたはず。
予告を見たけど特命係で右京&亀山&神戸がそろっている画が見られる日が来るなんて、ちょっと鳥肌ものでしたよ。
★事件そのものの真相については、ちょっと唐突感があったかな、と個人的に思いました。
自殺するのに爆弾でバスを爆破させて…っていうのが納得しがたいかな~。
ただ、死を望むくらい追い詰められた人同士だからわかりあえて、死ぬことを思いとどまれたというのは、現実でもきっとそういう救いがあるだろうと思えてよかったです。
★そして「仲間」によっては死を思いとどまれなかった守。
「死に損なっても死刑になれる」という理由で関係ない人を巻き添えにするのはあってはならない。
けれどここで亀山君の渾身の説得が始まる。
あとで右京さんにも言われていたけど、一つ一つの言葉や行動に、本編では直接描かれていない亀山君のサルウィンでのあり方が見えた気がしました。
亀山不在期がこういう形で埋められていく。
直接描かれていなくても、各キャラクターがそれぞれの人生を歩んで今ここにいる、ということが感じられる物語はやっぱりいいですね。
★こてまりで目覚めた亀山君を見て、最初は「え?今日のストーリー全部夢だったの?」と思いました。
事件そのものは当然存在して、一方で歴代相棒のくだりは夢で…では、右京さんの言葉はどっち?となりますが、松ぼっくりを持っていること、右京さんの含みのある表情から察するに、これは現実かな…?
視聴者に結論をゆだねる形で終わったのも好きなポイントです。
★「君との再会は運命だと思っています」
右京さんから亀山君への言葉。
寺脇さんがシーズン7で降板して、その後3人の相棒を経て再び帰ってきた亀山薫。
当時は「相棒」の片方が変わるということで大騒ぎになっていた記憶があります。
もしあのまま、寺脇さんがずーっとシーズン21まで変わらずに続けていたらどうなっていたのかな~。
そういう未来もあったと思うし、それはそれで何の疑問も持たずに相棒を見続けていたと思います。
ただ結果論ではあるけれど、一度亀山君が去り、他の相棒がつないで、そして(おそらく)ラストを飾る形で亀山君が戻ってきた、という形だからこそ得られたものもあったと思うんですよね。
それが「運命」という名にふさわしい気がしています。
★さて、いよいよ来週は最終回!
米沢さん、神戸君が出るということでテンションが上がりますね。
そして官房長。
亀山&美和子が官房長のお墓に手を合わせている予告シーンがありましたが、思い出してみると官房長と亀山夫妻の関わりも深かったよね。
どういうストーリーになるのか、楽しみに待っています。
以上で終わります。