まさかこんな展開になるなんて…
▼『宇宙兄弟』44巻読みました。
発売日の7月下旬には入手し読了しました。
その時に感情を消化しきれず文字にぶつけていたのですが、もう11月だし、ネタバレになっても大丈夫かな…ということで、感想をアップすることにしました。
当時思うままに書いたものをそのまま載せます。
考えすぎて眠れない!怒涛の44巻感想
一読しただけでは消化しきれず、連続で2回読む。
43巻で描かれた、ベルトを使ってのソユーズに飛び移る方法があっさりうまくいくとは思っていなかったけど、まさかこんな展開になるとは予想していなかった。
宇宙の仕組みがきちんとわかっていない私でも、恐ろしすぎて震えがきてしまった。
自分だったらどうなるかな…と考えてみた。
答えは、多分「気絶する」だと思う。
宇宙空間に放り出されて、身動きも取れず、自力では何もできない。誰とも会話できない。
あの孤独に私が耐えられるとはとても思えず、あまりの辛さに意識を失うのではないかなと考えた。
もちろん六太は訓練を積んだ宇宙飛行士だから、色々なシミュレーションができる。
アームを投げ捨てなかったのも、プロフェッショナルとしての計算をあの状況でもできたからだと思う(そしてそれが次巻以降の伏線になると思っている)。
それでも5時間もの間あの状況で漂流し続けることは想像を絶する恐怖との戦いになるはず。
次巻ではまだ「救出」というところまでいかない可能性もあるかな。
44巻でも、一つの出来事(事件)に対して様々な人物の視点から描写されていた。
おそらく六太漂流という出来事に対しての、救出ミッションそのものや思いを様々な角度から描く1巻になるんじゃないかなと思っている。
六太が救助され、日々人と帰還するというラストは動かないはず(そう信じる)。
「助かる」という結末が用意されていると思っているのに、異常なまでにハラハラしてしまうのはさすがのストーリー展開と言わざるを得ない。
今回の出来事で思い起こされたのは、初期のエピソードで登場した「死ぬ覚悟」だった。
六太がまだ宇宙飛行士になる前の、選抜試験での吾妻さんからの問いかけ。
吾妻さんも、日々人も、六太も、だれも「死ぬ覚悟」なんか持っていなかった。
そして今回、相当に絶望的な状況にもかかわらず、誰も「(六太が)死ぬ覚悟」をしていない。
ケンジのセリフ「誰も諦めていない」にも表れているように、この物語における宇宙飛行士に必要なのは「死ぬ覚悟」じゃなくて、「生きようとする覚悟」であることがはっきりと示された。
先日、ドキュメント72時間でパリの漫画喫茶が放送されていた。
日本の漫画に多くの影響を受ける人たちの姿が映し出されていた。
漫画をはじめとする創作物は、ノンフィクションもあるけれど、基本的には架空の世界を描いたもの。
言ってしまえば現実ではないこと、作り物なのに、たくさんの現実の人々に生きる指針を与える。
そのことがすごく不思議で、面白いなと思っている。
私自身も漫画はじめ、ゲームの世界に相当な影響を受けて、ここまでの人生を歩んできた。
実在しない世界の実在しない人々に、生きる気力や知恵をたくさんもらってきた。
『宇宙兄弟』も間違いなくそのうちの一つである。
終わりが見えてきた『宇宙兄弟』。
寂しいし、色々な登場人物のスピンオフを見たいと思うくらい魅力あふれる登場人物と世界観の目白押しだった。
最後の1巻までどきどきしながらその世界観を味わいたいと思っている。
追記
モーニング誌上では44巻の状況から進んでいると思いますが、単行本派の私は44巻以降の展開はまだ何も知りません。
さすがに44巻を読んで考えすぎて眠れない、という状態はなくなりましたが、45巻でもさらに眠れなくなる可能性があるな……。
続きが待ち遠しい、けど終わってほしくない、という複雑な心境のまま、45巻を待ちたいと思います。
以上で終わります。