▼今回はこちらの本です。
森下えみこさん45歳当時のエッセイです。同年代の私にとっても共感する内容がたくさんでした。
色々なことに人生を感じる
これは40歳を超えたあたりから本当に感じるようになりました。エッセイでは整体を受けているときなど何気ない日常を人生とリンクさせていましたが、私自身も「これが人生の意味かもしれない…」とか「人生はこういうものかもしれない…」とやたらと感じる場面が増えたので(笑)、共感しかなかったです。しかも何か重大なことだけじゃなく、料理しているとか散歩しているとか、昔なら何も考えずに通り過ぎていた出来事に重みを感じるようになってきています。
悔いがないようにしたい
ライブに参戦したエピソードで描かれていましたが、とにかく悔いの残らないように行動しよう、という気持ち、ものすごくわかります。
私自身で言えば、身近な人が他界する、という当たり前だったことが失われていくことが降りかかってきたのが40代でした。いつかは寿命が来ることはわかっていても、若いころはその実感がありませんでした。でも日常が一変する出来事が起こるようになって、自分の残りの時間というものを強く考えるようになりました。後ろ向きな意味ではなくて、もうこれが最後かもしれない、次の機会はないかもしれない、という気持ちが強くなったのは事実です。体が動くうちにやれることはやっておきたい、という感情は、40代を超えて相当に強まった実感があります。
美しさ、若さよりも健康が大事
もう共感しかない(笑)。健康大事!!本当に。
森下さんは30代後半が暗黒期だったそうですが、私自身は30代に入った頃かな、と思います。それまでは若さでごり押しできたことができなくなったことを実感したのが30代。見た目が明らかに20代とは異なっていき、洋服も何を着ていいかわからなくなる。今から考えると精神的にも不安定でした。30代はかつての若さというものに執着していたような気がします。
しかし40代に入り、だんだん悟りを開いていきました。何をどうしても人は老いていくものだし、自然の摂理に逆らって執着しているその時間がものすごくもったいないと思うようになったからです。身近な人の死を前にして、生きているうちしかやりたいことはできないんだと実体験として教えられたことも大きかったです。健康で身体が動くことがどれだけ幸せなことか…。
若さが失われて執着する気持ちから抜け出すまで、というプロセスは誰もが通る道なのかもしれないと思っています。もうすっかり中年になりましたが、私は今の方が楽です。変えられないものに抗うことほど精神を削ることはないですからね。
エッセイでは歯の治療にかかる金額にも触れていましたが、私は幸運なことに歯はめちゃくちゃ丈夫で、これは遺伝子に感謝だなーといつも思っています。自分に与えられたメリットを生かして楽しく生きていきたいですね。
あと、白髪で「海原雄山」が出てきたエピソードは爆笑しました(笑)。私は親を見る限り50代くらいから白髪がやってきそうですが、どういう風にしていこうかなと今から考えておこうと思いました。
まとめ:これからも読みます
森下さんのエッセイは『独りでできるもん』から読んでいます。私の暮らしはこんなに充実して生き生きしています!!みたいなノリのエッセイではなく、ほどよく自虐も含みつつ等身大のメッセージを、ゆるくて可愛いイラストとともに提示してくれます。
落ち込んだ時に寝込んで引きこもって、でもふとしたきっかけでゆっくり立ち直って日常生活に戻っていく。変に飾らないエピソードだから共感もするし、それが森下さんの著作のよさだなと思います。年代ごとにその時々で感じていることをエッセイにしてまた出してくれたらぜひ読みたいと思います。
以上で終わります。