国際線の飛行機で…
先日ハワイに行ってきたのですが、飛行機の中でTVシリーズの「オビ=ワン・ケノービ」がありまして、久しぶりに視聴しました。
飛行機では第3話までしかなかったので、帰宅後改めてディズニーチャンネルで全部見ました。その結果…
本編エピソード1~6までの間を埋める作品は面白い!
ということを実感しました。
間を埋める作品はいいけれど
私が見た作品で言うと、
- クローン・ウォーズ(ep.2とep.3の間)
- 反乱者たち(ep.3とep.4の間)
- ローグ・ワン(ep.3とep.4の間)
あたりが該当しますが、どれも面白くて大のお気に入りです。そして「オビ=ワン・ケノービ」はep.3とep.4の間に位置する作品なので、やっぱり本編の間を埋める作品ということになります。
一方で私がう~んと思ってしまうのが ep.6 以降に位置づけられる作品です…。以前のブログでさんざん魂の叫び(笑)を書いたのですが、
「ダース・ベイダーがアナキンに戻ってめでたしめでたし…だったのにep.7でダークサイドのカリスマに戻ってるってどういうこと?ep.6のラストは何だったの??」
というのがすべてです。さらに登場する悪役も個性が物足りないし、背景も薄い…。そしてとどめはep.8の「フィンとローズの珍道中」。このくだり、いる??(笑)
まあ、ep.9は正直面白いと思えました。何といってもランドとチューバッカというレジェンドがミレニアムファルコンで駆けつけるというラストがありましたしね!あれはオールドファンとしては鳥肌ものでした。いいんです、ベタでもなんでも。
そんな感じでep.6以降に位置づけられる作品は一応長年のファンとして見ることは見るけれど、もうパラレルワールドだと思うことにしていました。この先ep.10とか本当にやるのかな…怖い。
ep.10以降を作るくらいなら、ep.3後のオルデラーンでレイア姫に使えるR2-D2とC-3POの話を作ってほしい。記憶を消されて一から関係を構築する漫才コンビのマウント合戦をぜひ作ってください!(笑)
「オビ=ワン・ケノービ」の個人的見どころ
というわけで間を埋める作品は面白い!ということを証明する結果となった本作品について、見どころをまとめておきたいと思います。
くたびれたおじいちゃん→キレキレ覚醒!
「おじいちゃん」は言い過ぎですが、かつての偉大なジェダイの面影を失いまったく覇気のないオビ=ワンが登場します。パダワンであったアナキンがダークサイドに堕ちることを救えなかった罪悪感が、ep.3ラストからの10年の歳月によってますますオビ=ワンを苛んだことが伝わってくる物語の始まりです。
ep.3では自分のマスターであったクワイ=ガンとの再会を心待ちにする前向きな姿のオビ=ワンでラストは締めくくられていましたが、日に日にジェダイが滅ぼされたこと、皇帝の野心を見抜けなかったこと、アナキンを救えなかったこと、という重たい事実がのしかかってきたのだろうと思います。
アナキンがダークサイドに堕ちたのはオビ=ワンのせいではないと思います。しかし瀕死のクワイ=ガンに託されたアナキンという「選ばれし存在」を適切に導けなかったばかりか、オーダー66というジェダイ殲滅を実行する存在にしてしまった。この取り返しのつかない後悔は確実にオビ=ワンを心身ともに蝕んでいったでしょうね…。
結果がシリーズ冒頭のくたびれ果てたオビ=ワンの姿。帝国に察知されるから表立ってフォースが使えないということを抜きにしても、力が大幅に弱っていることは疑いようがないし、何よりも心が前を向いていない。
そんなオビ=ワンが、レイアとの出会いや帝国に抵抗を続けて活動をしている人々の存在を通してどんどん元の力を取り戻していきます。回を重ねるごとにかつてのオビ=ワンの姿に近づき、ラストのダース・ベイダーとの一騎打ちでは覚醒キレキレの姿を見せてくれます。ベイダーを追い詰めるオビ=ワンの無双ぶりはしびれたな~。繰り返しますが、ベタでいいんですよ、ベタで。強いジェダイオビ=ワンの姿を見せてくれるだけで大満足なのです。
10年の歳月がオビ=ワンにとってどういうものだったのか、解体工場での仕事ぶりやとても住む場所とは言えない洞窟での暮らしなどの描写から、相当に絶望的なものだったことが伝わります。そこからの復活、という展開はとてもよかったです。
リーヴァがオビ=ワンを追う理由
帝国側の軸の一人になる、尋問官サード・シスターことリーヴァ。彼女は生死もわからないオビ=ワンを執拗に追い続けています。その執着心はくどいくらいでしたが、なぜ彼女がオビ=ワンを追うのか、ただ単に帝国軍のためにジェダイを徹底的に滅ぼしたいという動機ではなかったところがよかったです。
まあ帝国のために!という動機だったらそのまま過ぎだから何かあるとは思っていましたが、なるほどそういうことか~と思いました。彼女の過去の描写もそうきたか…と思いましたね。
個人的には、オビ=ワンほどの人物を捕らえる=出世するという構図に改めて納得しました。そうだよね、帝国軍に属していればダース・ベイダーの姿を見たり命令を受けたりすることはあるだろうけど、2人きりで、あるいは少人数で接することはありえないわけです。当然それ相応の地位に就くことが必須になるわけで…。オビ=ワンを捕らえることがベイダーに接近するための出世に結びつく、ということに今更ながらとても納得してしまいました。こういう、よく考えれば当然なんだけど言われてみて初めて気が付いた、ということが物語の展開とともにすとんと入ってくる瞬間が好きですね。
ターラとNEB-D
オビ=ワンの心を前に向かせる存在として、ターラは重要な人物です。帝国軍に身を置きながらジェダイの生き残りやフォース感知者を密かに救出する活動を続けている彼女。理想を胸に帝国軍に所属していましたがやがて帝国の真の姿に絶望していきます。帝国軍の人間として、フォースに関わる人々を抹殺した過去。そうした重く苦しい過去を背負うターラの言葉がオビ=ワンの心に響きました。
そして迎えたターラの最期の瞬間。隠れ家に押し寄せる帝国軍に撃たれ倒れ込む彼女を庇うように覆いかぶさったのは、彼女とともにフォース感応者を助ける活動をしていた労働ドロイドのNEB-Dでした。その後覚悟したターラは、帝国軍を足止めするために自爆するという道を選びました…。
このNEB-Dとの最後のシーンが大号泣…。
前振りとしてNEB-Dは労働ドロイドだから「会話する能力がない」と言われています。しゃべり過ぎのC-3POや電子音とはいえ喜怒哀楽豊かなR2-D2とは異なり、彼の感情はここまでではっきりと描かれていないわけです。そんな彼が自らも撃たれ壊れかかりながらターラを守ろうとする行動をとる。彼にもちゃんと感情があって、ターラを守りたいと思っている。ドロイド好きとしては夜眠れないレベルで引きずるシーンですよ。自分を庇おうとする彼の姿を見るターラの表情も相まって思い出すだけで泣きそうになります。思いが暑苦しくてすみません…。
ターラが帝国に幻滅してジェダイ感応者を救おうと決意するサイドストーリーがもしできたらすごく見たいな~と思わせるキャラクターでした。
いくつかの疑問を自分なりに解消する
当り前ですがep.4というすでに完成している作品につなげていかなければいけないので、「間を埋める」のはとても難しい作業だと思います。本作の展開で「なぜこうなったのか」と思う箇所がいくつかあったので、ep.4とのつながりも踏まえて自分なりに解消してみました。
オビ=ワンはなぜダース・ベイダーにとどめを刺さなかったのか
ep.4でダース・ベイダーが生きているから!
が答えですが(笑)、それでは終わってしまうのでもう少し考えてみます。
やっぱり「オビ=ワンにアナキンは殺せなかった」というのが答えなのかなと思いました。
ラストの一騎打ちの場面で、覚醒したオビ=ワンによりダース・ベイダーのマスクが一部分割られ、アナキンの顔が見える状態になります。その瞬間、オビ=ワンが目の前の存在を「アナキン」として認識してしまったことがとどめを刺せなかった理由だと思います。
もちろんそのあと、「私の友は死んだ」と言ってアナキンとダース・ベイダーを切り離す心境にはなっています。それがep.4の、ep.3までの師弟関係がまったく感じられない関係性に行きつくことにつながるわけですが、この時点では「切り離す」スタート地点であって、アナキンとは別物のダース・ベイダーとして仕留めることはまだできなかったのではないでしょうか。それはアナキンも同じこと。皇帝に動揺を見抜かれているように、まだわずかであっても「アナキン」が残った状態でオビ=ワンを見ているのが本作の段階だと思います。
そして年月が経ち、両者ともにかつての師弟関係や複雑な感情というのが消えた状態がep.4での二人の対決だと私は解釈しました。
「アナキンを殺したのはオビ=ワンではなく自分だ」という言葉も印象的です。オビ=ワンがやっと自責の念から解放されるきっかけとなった言葉がダークサイドに堕ちたアナキン自身から発せられる。この言葉や立ち去るオビ=ワンを執拗に呼び続けることから、もしかしたらオビ=ワンにダークサイドに堕ちた自分のとどめを刺してほしいと思っていたのかもな…。でもオビ=ワンはアナキンを殺さなかった。結果的に生きながらえたアナキンも自身の過去やオビ=ワンへの感情を断ち切り「ダース・ベイダー」として対峙するスタート地点に立ったのでしょう。
もう考察しだすと止まらないし楽しいし嬉しいし長くなるし困る(笑)。
リーヴァはなぜルークを殺そうとしたのか
これは初見では悩みました。なぜルークを狙う必要があるのかわかりませんでした。何度か見返してこうかな…という解釈ができるようになりました。
ルークを襲う前にリーヴァは復讐のためにダース・ベイダーに挑み、無残にも返り討ちにあっています。重傷を負いながらも一命をとりとめたリーヴァは、ハジャが落としていった発信機によりルークの存在をかぎつけ、タトゥイーンのオーウェンの家を襲います。
そこから考えると、「アナキンへの復讐の一環としてルークを襲った」が最もしっくりくるかなと思いました。
発信機の内容からはルークがアナキンの息子であることは読み取れないのですが、「ルークが大切な子どもである」「隠しておかなければならない」「オビ=ワンとオーガナ議員が関わっている」といった情報や、リーヴァ自身のフォースによって感じたことを合わせると、ルークがアナキンと何らかの関係を持つ子どもであるということを察知するのは不可能ではないかな~と思います。
結局ルークを殺すことはできず引き返した彼女がオビ=ワンに「仇を討てなかった」と言っているところからも、「ルークを殺す=仇を討つ」という図式になっていることがわかります。リーヴァの仇はアナキンなので、ルークとアナキンに何らかのつながりがあることをわかっていなければこういう言葉にはならないはずです。
リーヴァはラストでライトセーバーを置いていますね。完全にダークサイドに堕ちていたわけではないけれど、尋問官としてやってきたことは許されることではないし、今更正当なジェダイに戻って人々を助けるという道を選ぶわけにもいかない。どちらからも手を引いて、静かに暮らしていくという道が最も妥当で救いのある形だろうなと思います。
まとめ
ちょっと感想を書いておこうと思ったのにめちゃくちゃ長くなってしまいました。やっぱり好きなことを書き始めると止まらないですね。自分のブログという場所があることで書きたいなと思ったことを書くことができるのはとてもありがたいです。
最初の大尋問官やリーヴァなど、結構致命的な傷を負っているのに普通に生きてる、というちょっとあれ?という描写もありますが、そこはまあきっと大丈夫なんでしょう。バクタ・タンクに入れたり、驚異的な回復力があったり…。ep.1で真っ二つにされた赤い人もアニメの中ではありますが復活しているし、何といってもep.6で宇宙空間に放り出されたあの人でさえも生きているわけですから、それは問題ないのです(笑)。
先にも書きましたが、確固たる続きが存在する状態で「間を埋める」という作業は本当に大変だと思います。どうしたって矛盾点や疑問点が生じてしまうことは否めません。それでも、むしろそれだからこそ確実な正解はなく、さまざまな考察をする余地があって楽しいという状態を、視聴者としてはめいっぱい楽しめばいいのではないかなと思います。
「オビ=ワン・ケノービ」は本編ep.1~ep.6へのリスペクトが感じられる、作り手側の熱意や誠意が伝わる作品であったと思います。
以上で終わります。
