相棒season24 第10話「フィナーレ」感想

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第10話「フィナーレ」感想

★小説の舞台となった「聖島」で、小説と同じように殺人事件が起きる、というミステリー小説仕立てのストーリーでしたが、まさかカイト君シーズンやダークナイトと絡む展開になるとは思いませんでした。


★脅迫状を受け取ったことで特命係を聖島に招待した作家の美作ですが、実は彼の人気シリーズの主人公は右京さんをモデルにして書かれたものでした。しかも右京さん(特命係)を知ったきっかけがあの「ダークナイト」事件。カイト君の犯罪を止められなかった、右京さんにとっても大きな後悔となっているあの出来事です。


★シリーズ最終作はダークナイトを題材にしたい。そのためにカイト君とも面会を重ねてきた美作でしたが、父親の甲斐さんからストップがかかっていた。話し合いをするために甲斐さんも聖島に呼び出されていた。ここでカイト君はもうすぐ刑期が終わるとの情報が…。相棒シリーズ完結までに登場はあるのだろうか。


★自身のファンを集めた読書会参加者で貸切のホテルでしたが、そこで第一の密室殺人が起きます。そして甲斐さん毒殺未遂までも…。さらに第三の殺人まで起き、まさにそれはシリーズ第一作目のストーリーと同じ展開でした。


★増元(美作の見習い)→日高(ホテル従業員)という真犯人への二転三転、正直日高さんについては蛇足かなあ…と思いました。濱田マリさんが演じている時点でただの従業員で終わるわけがないことがわかってしまいましたが、日高さんの犯罪についてはあまりミスリードにもなっていないし、濱田さんの演技がもったいないと思ってしまいました。偏執的な愛情とそれを裏切られたことによる逆上、という演技はさすがでしたが。


★とはいえ芸能人や何かのキャラクターに対して、一方的な思い込みや考えを持ちそれが叶わないと逆上するという行為は日常的に存在するものだと思いました。家族だって親友だって自分の思い通りには決してできないのに、さらに遠い存在を思い通りに動かそうとする。うまくいくはずがありません。自分の理想とずれたのならすべき行為はただ一つで、「離れる」ということだけなんですよね…。ここを認められないと逆上したり陰謀論に走ったりしてしまう。本人も幸せになれない行為ですね。この危うさを濱田さんは見事に演じていました。だからこそもったいない…。


★事件の真相はカイト期にさかのぼる事件に関わりがありました。美作のマネージャーを務め第一の密室殺人の被害者となった舞の父親が「殺された」事件でした。父親は事故により体が不自由になり、娘の負担を減らし保険金を残すために殺人を偽装して「自殺」したのでした。


★売れない頃からの美作のファンだった舞の父。美作と舞の父は友人関係となり、舞の父の死の真相を美作はわかっていました。それならば「他殺」ということにして舞にお金を渡してあげたい。そう思った美作でしたが、特命係の捜査により真相が明らかにされてしまったのでした。


★「他殺」と見せかけた「自殺」。これまでのシーズンにもありましたね。特に印象的なのがseason7最終話の「特命」。神戸君初登場のエピソードです。これは厳密には無理心中の偽装がうまくいかなくて病死で押し通そうとしたけれど右京さんに看破されてしまったという展開ですが、「親が子のために保険金を」という動機は同じです。


★真相を明らかにしたことで、父親は逮捕、保険金は下りずに息子は借金まみれのまま、という救いのなさに「不公平だなと思って」「この世には見過ごされている犯罪がごまんとある」「たまたま杉下警部の目に止まっただけ」と神戸君が感想を漏らし、右京さんの真実の追究に対する亀山期との対比がはっきりと描かれた印象的な場面でした。


★まあ亀ちゃんも初期は右京さんのスタンスとは距離があったし、シーズン通してまったく同調していたわけではありません。そして神戸君もシーズンを通して右京さんの正義を理解しながら、かつ自分の大切にすべき軸も見出していく…そんな神戸期の始まりのエピソードは今でもよく覚えています。


★話が逸れましたが、今回も右京さんの正義=「真相を明らかにする」という図式が発動した結果、自殺であることがわかってしまい舞は保険金を受け取ることができなくなったのでした。その際舞に対して右京が「正しく生きなさい」と言ったことが、舞や美作の憎悪を掻き立てることとなってしまった。


★「正しく生きなさい」難しい言葉だよな~。舞や美作のように、「父親は保険金をだまし取ろうとしたから、違法な行為をしたから、父親のようにならずにあなたは正しく生きなさい」と言われているようにとってしまうとそれは怨みの対象になる。でも右京の意図は違ったんですよね。「殺されたと思ったら自分のために自殺した」と聞かされて混乱している状態でなかったら、もっと違う意味で右京の言葉を受け取れたかもしれない。ただ右京さんが最後に後悔しているように「言葉足らずだった」というのはそうかもしれない。


★そこは美作が大人としてもう少し冷静に判断できたらよかったのかな…。実際に右京への恨みを晴らすために右京をモデルにミステリーを書き始め、最後はその主人公を敗北させるという復讐に着手しながらも、あくまで小説の中だけでの復讐にとどめようというところまで心は落ち着きを取り戻せていた。でも舞はもう引き返すことができなかった。


★小説になぞらえた殺人事件を起こし、現実の杉下右京が解決できなかった、という敗北を突きつけることが彼らの復讐。美作は小説の中だけでとどめようとしていたけれど、舞が密室殺人を装い密室での自殺を実行してしまったことで、美作は最後まで突き進むことを決めた。


★真相にはたどり着いた。しかし証拠がない。証拠がない以上美作は逮捕されない。「勝った」と思った美作でしたが、意外なところに証拠は残されていました。甲斐さんに毒を注入したのは美作の万年筆。一瞬の停電中に甲斐さんに毒入りのインクが入った万年筆を刺し、あたかも食事に混入されていたかのように見せかけていました。当然そのインクは処分していましたが、サインを求められた美作が右京の本に施したサイン…このインクこそ毒入りインクでした。


★一命をとりとめた甲斐さんからの電話。美作が計画をしくじったのは、特命係=杉下右京だと思っていたから。右京さんと亀ちゃん、二人で特命係だということを理解していなかったから。その言葉に「僕もそう思います」と答える右京さん。それ、亀ちゃんにもぜひ伝えてあげて!!小説に亀ちゃん的な存在が出てきていないことに落ち込んでいたけど、亀山薫という存在を見逃していたことが美作の敗因、という伏線回収はお見事でした。右京さん、お願いだから亀ちゃんに伝えてあげて下さい(二度目 笑)。


★今回は島が舞台ということでしたが、別件で訪れていた捜一トリオだけではなく、他の面々もうまく登場させていたのがよかったですね。やっぱりスペシャルだからおなじみの顔があるとお祭り気分になります。ラスト、甲斐さんのお見舞いに訪れる悪者三人(副総監&部長&参事官)の場面もいい。上辺だけの言葉と笑い声で全く和やかじゃない不穏な病室と無の社さん(笑)。


以上で終わります。

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