*2019年~2024年の3回にわたる寒立馬越冬放牧地アタカ訪問をまとめました。
寒立馬の越冬地アタカ
青森県下北半島の北東にある尻屋崎には、寒立馬という馬が放牧されています。
短足でどっしりとした体格の馬です。
寒さに強いことでも有名で、マイナス30度でも耐えられるとか。
寒立馬は4月から11月の間は尻屋崎の中で放牧されています。
12月から3月までの期間、尻屋崎は冬期閉鎖となります。
その間、寒立馬はアタカと呼ばれる越冬地に移動し、その中で過ごすことになります。
となっています。
「アタカ」という限られた場所で過ごすので、寒立馬を間近に見ることができるのです。
アタカへの行き方:車で行くしかない
バスは廃止された
かつて尻屋まで行くことができたバス路線(尻屋線)は廃止されました。
▼2019年の様子
以前はアタカから歩いて20分ほどの場所に「尻屋」というバス停がありました。
下北駅 → むつバスターミナル とバスを乗り継ぎ車を使わずにアタカへ行くことも可能でした。
現在は尻屋線もむつバスターミナルも廃止されてしまいました。
雪道に自信がない人は無理をしない
私がそうなんですが、以前バスを使っていたのは雪道に自信がないからでした。
特に1月~2月の寒い時期は注意が必要です。
アタカに行きたいけど雪はちょっと…という人は3月下旬をお勧めします。
3月下旬であれば道路上に雪はありませんでした。
アタカの場所
周辺には案内もあるのでわかりやすいと思います。
尻屋崎の先端(灯台)まで行く道は冬期期間は閉鎖されています。
そのためより一層迷いにくいのではないかと思います。
アタカでの過ごし方
駐車スペースや簡易トイレもある
アタカ入口には簡易トイレが設置されています。
車で来ている場合はあまり必要ないかもしれませんが、バス利用の時は本当に助かりました。
徒歩圏内にお手洗いがないので…。
ここからもう少し行ったところに、車3台分くらい停められるスペースもあります。
寒立馬観察にあたっての注意事項
ここから寒立馬が放牧されている牧場に入ります。
かかっているロープを外し、扉を開けて中に入ります。
開けた後は必ずロープをかけ直して扉を閉めます。
寒立馬が外に出ないように注意してください。
ここにも書かれていますが、寒立馬観察にあたっては細心の注意が必要です。
を徹底することが大事です。
寒立馬は人に慣れてはいますがそこはやはり動物。
事故が起こるようなことは厳禁です。
お勧めの服装
写真では伝わりにくいのですが、アタカは一面寒立馬の糞でおおわれています。
もう踏んでしまうことを覚悟するしかありません。
乾燥しきっているものは踏んでしまっても大した害はありません。
とはいえやはり丸洗いできる靴がお勧めです。
糞だけではなく草や土でも汚れるので、長靴は便利でした。
同様の理由で、裾が地面についてしまうような長いスカートやひらひらした裾の服は避けた方がいいと思います。
あとは行く時期の気温に合わせて、アウターを選べば大丈夫。
全体的に汚れてもいい格好がお勧めですね。
車に長靴を積んでいき、履き替えるといいです。
3月下旬だとダウンコートは少し暑かったです。
寒立馬の観察
▼2019年3月
▼2020年3月
▼2024年3月
2019年~2024年にかけてアタカへは3回行きました。
最初の年はたくさんの寒立馬がアタカにいたのですが、2024年はかなり少なくなっていました。
そのあたりのことにここでは触れませんが、管理の問題など色々な事情があるようです。
寒立馬の姿を見られるだけで本当にありがたいな…と思った訪問でした。
アタカでの時間は、ただただ寒立馬を眺めるだけの時間です。
情報を遮断し、馬が草を食べたり寝たり歩いたりする姿を見続ける。
現代においては何物にも代えがたい貴重な時間だな…と行くたびに思います。
寒立馬との距離感の変化
ここまでアタカでのお話を書いてきました。
冬期以外は尻屋崎一帯に寒立馬が放牧されており、以前は何の隔てもなく観察することができました。
しかし相次ぐ事故により、現在ではロープや柵が設けられる状態になってしまいました。
▼2023年
▼2014年
これは10年ほど前の写真です。
当時はこの距離感で近づくことが可能だったんですよね。
しばらくアタカばかり行っていて冬以外の様子に疎かったのですが…。
2023年に久しぶりに訪れて以前とはかなり距離感が変化したんだな~と思いました。
YouTube の「東通村公式チャンネル」ではアタカへの行き方や入り方をアップしているので、現時点ではアタカ内に入って寒立馬を観察することは可能です。
しかしアタカ以外の場所で放牧に制限がかかっている以上、アタカへの立ち入りも今後どうなっていくかはわかりません。
アタカの中で寒立馬を観察するという素晴らしい体験。
願わくば長く続いてほしいと思います。
まとめ
アタカに関して、2024年現在では以下のようになります。
もし今後アタカへ行こうと考えている方がいましたら、寒立馬との贅沢な時間が続くように気をつけて観察をしてほしいと思います。
もちろん私自身も今後行く機会があれば、慎重に行動したいと思います。
観察する人も寒立馬も、双方が悲しい思いをしないようにしたいですね。
以上で終わります。