相棒season22-10「サイレント・タトゥ」感想

相棒
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相棒season22放送当時(2023年10月~2024年3月)の感想記事です。

第10話「サイレント・タトゥ」感想

★美村さん、怖すぎる!!!何なんだこの狂気は!!!
あ、志津子ですね、役名は。
いきなりびっくりマークを多用していますが、それくらい美村里江さんの演技がものすごかったです


★悦子と享の子ども結平が通う小学校の担任、姉小路が学芸会の舞台上で刺殺される。
現場に居合わせた右京&亀山が早速捜査にあたり、早々に姉小路に婚約破棄をされた志津子の存在が浮上、あっさりと逮捕へ。


★ここまでは本当に展開が早く、むしろ志津子が逮捕されてからが本番でした。
「疑似親子」関係の真士を巧みに使って悦子を操る志津子。
この「ソフトな脅し」をねっとりと仕掛ける美村さんの演技にぞわぞわしました。
何度でも言います、怖い!!


★そして行きつく先は悦子の「東国」における、スパイ容疑での拘束。
「東国」は…架空の国とはいえモデルがあると思いますが…多分あの国かと…。
まあそれはいいとして、スパイが認定されてしまうと即刻死刑という恐ろしさ。
逮捕されて自由を奪われながら、憎しみの対象である悦子をこんな形ではめようとする志津子の計画。
志津子の真っ黒な情念が画面からにじみ出てくるような、一種のホラーといってもいいかもしれないほどの展開でした。


★ただどうしても解せないのが、なぜあんなどうしようもない男にここまでのめり込んでしまったのか、ということですね。
役者さんには全く罪はないけれど、演じている人のイメージからもそこまで心を奪われる男にも思えず、ますます志津子の気持ちがよくわからない。
ただ、志津子の両親の雰囲気からして、彼女は非常に孤独だったのではないかなと感じられました。
だからおよそ惹かれる要素のない姉小路なんかに執着してしまったのかもしれません。


★悦子は完全にとばっちりだよな~。
右京さんが言うまでもなく、悦子には何の落ち度もない。
姉小路が勝手に言い寄ってきただけ。
誘惑したわけでも、気持ちにこたえたわけでもない。
逆恨みもいいところ。


★姉小路は悦子以外にも節操なく言い寄っていたみたいなので、なぜ悦子だけにここまでの悪意を向けるのか、というところが疑問として浮上します。
想像でしかないけれど、悦子に対する姉小路の執着だけが他の女性に対するものとは違ったのかもしれませんね。
なぜ姉小路がそこまで悦子に執着したのかは…確かに悦子は美しい人だけど、それだけでは当然ないはず。
いつものノリで美人に言い寄ろうとして、ちょっと探ってみたらなんとあの「ダークナイト」が結平の父親で…と分かった時に、弱みを握ったうえで屈服させることに特殊な感情を抱いてしまった可能性はありますね。
だとしたらますます気持ち悪いことではありますが…。


★とにかく、悦子にとっては迷惑以外の何物でもないわけです。
好きでもない男に勝手に言い寄られて、その婚約者に勝手に恨まれて、あろうことかかなり危うい国で下手したら死刑になるという目に遭わされるなんて。
そういう意味で、今回のストーリーは本当に恐ろしかったわけです。
そしてその感情に対して説得力を持たせてくれた美村さんの演技に脱帽しました。
怖すぎるし認められるはずもないけれど、「この人はこうなってしまったんだ」となぜか説得させられてしまう。美村さんの演技はそういう演技でした。
いや、冷静に考えたら「こんな感情になる??」と考えてもおかしくない、ちょっと強引ともいえるストーリーでもあるわけです。
そう思わなかったのは、ひとえに役者さんの演技のおかげだと思っています。


★悦子奪還に向けたアクション(特命&捜一&美和子)はスペシャルならではかなと思いました。
美和子が隠し撮りした証拠もあるわけだし、スマホの出所とかを調べることでもう少し穏便に悦子の無実を証明できそうではあるんだけど、やはりそこは「東国」ということなんでしょうね。
きっとそんな理屈は通用しない。
まともに捜査がなされる保証もない。
となれば奪還アクションもやむなしなのかと思いました。
まあこれはドラマなので、真剣に考えても仕方のないことです。
色々なあれこれ?を駆使して、外交問題には発展しないように決着しているはずです(笑)。
そして右京&亀山も無事に帰国しているはず(実際22-11で無事に特命にいたからよかった)。
ドラマだからちょっと無茶ぶりの展開もありだと私は思います。


★今回わかったことは、甲斐家の人々はみんな享のことを思っているということ。
カイト期には父や兄のことを快く思っていないような描写もありましたが、あれはカイトくん側がこじらせていたのかもな、と思いました。
兄の秋徳なんて自分の立場を思えば悦子たちと交流する必要なんてないわけです。
そんな状況でも弟の代わりに悦子と結平を気にかけている、それは弟のことを思ってのことでもあるんだろうな。
右京さんに対して「よく享はあなたのような人と三年も…」と言っていたけど、このセリフからも「ダークナイト」になってしまった弟への憎しみは全く感じられませんでした。
新納さんの演技、予想通りよかったです。
秋徳また出てきてほしいな。


★今後、カイトは出てくる可能性ありますね。
前回の感想まとめで「役者さんが引退したから難しい」と書きましたが、役者として復帰するそうで、これはいよいよ歴代相棒勢ぞろいの可能性も出てきました。
拒み続けている入籍もするんだろうな、きっと。
悦子はじめ甲斐家の人々も、結平が自分の父親のことを知って傷つくことを恐れている。
そのことが今回の出来事の背後にはあるんだけど、やっぱりいつまでも隠し通しておくことは不可能だよね。
悦子が享とは縁を切って、全く関係なく結平を育てるというのであれば出自を隠しておくことはできるかもしれないけれど、悦子は享に正式に「父親」になることを求めているわけで、そうすると享が何をしたのかを秘密にし続けることは現実的ではないということになります。
きっと、いつかは言うつもりだったんだろうね。
もう少し、結平が大きくなってから。
でも今回のことがあって、期せずして向き合わなければいけなくなった、というところかと思います。
結平にとっては重たい事実で、彼の人生に何の影響もないというわけにはいかない。
それでも、それこそ姉小路や志津子のような悪意を持った他人から知らされるのではなく、家族がきちんと知らせることが、結平の傷が最小限で済む唯一の方法だと思います。
マリアの存在がこういう形で活かされるのもよかったです。


★ものすごく長くなってしまったのでいい加減終わります。
享・悦子・甲斐家の面々については、相棒終了までに何らかの形で未来のある決着がつけばいいなと思います。


★最後に。
やたらと美声の領事館員(津田さん)と、高級中華を食す悪そうな三人組(衣笠&内村&中園)も印象的でした(笑)。


以上で終わります。

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