第9話「最後の一日」感想
★相棒おなじみの面々が、それぞれの場所でそれぞれの大晦日を過ごす。その状況がどうやって結びついて一つの事件につながっていくのか、とてもわくわくしました。
★右京&陣川はデパートでお買い物。陣川の「恋人」に贈るための指輪を探しています。しかももうすぐ赤ちゃんまで誕生する。いや、陣川君のパターンからいって絶対に振られるオチしかないのはわかっているのですが…。右京「勝手な思い込みで自爆…」って右京さーん!!(笑)
★亀山&伊丹&益子の同期トリオは元同期の菜穂のもとへ。伊丹のかつての思い人という小ネタも挟みつつ、新婚の澤田夫婦のお宅にお邪魔します。しかしなにやら不穏な雰囲気が。
★芹沢&出雲は角田課長のお手伝い。喫茶店にてターゲットが現れるのを待ちます。そこに居合わせた紗央理という女性は出産間近の様子。この人が陣川君の恋人?と思わされますが…「人を守る仕事」という表現にしっかりミスリードされました。
★甲斐&社は大物議員伊地知義弘の忘年会へ。そして美和子&小手鞠は第九コンサートの猛練習中。ソリストの一人は伊地知の妻怜子。
★まずは右京&陣川。デパートで迷子の娘を探す桧山真紀子に遭遇します。一緒に探すうちに娘のゆうあ(漢字がわからないのでひらがな)が誘拐されたことが判明します。
★真紀子の夫でゆうあの父は東京中央テレビの顔とも言える有名キャスター桧山弘一。年末特番の生放送直前に、ゆうあを誘拐したという脅迫メールが届いていた。
★芹沢&出雲の現場では、ターゲットの確保に成功。ジョーカーという反社とつながりがある組織のメンバーだった。キャスターの桧山は自身の番組内でこのジョーカーを批判しており、これまでにジョーカーから脅迫状が届いていた。そして防犯カメラの映像から、ゆうあがジョーカーのメンバーに誘拐された疑いが浮上する。
★一方亀&伊丹&益子。明らかに何かを訴えようとしている菜穂と怪しさ全開の夫。桧山の番組のプロデューサーだというのに、年末特番の大事な日に仕事を休んで家にいる。亀たちによりこの夫は偽者であることが判明、家じゅうに爆弾を仕掛けられ菜穂を人質に取られ、本物の澤田はTV局で脅迫されていた。それは桧山の年末特番を何があっても放送し続けろ、というものだった。
★「ターミネーター」=偽夫に投げ飛ばされる伊丹…痛そう。これは亀ちゃんでも厳しいかもしれないレベルの強さ。二階から飛び降りながら無傷で逃走してしまう。それにしても「ターミネーター」とか「胸板お化け」とかあだ名が面白い。
★生放送が始まり、桧山は次々と自らのスキャンダルを全国に告白させられてしまう。この光景を見て伊地知が「人が社会的に死んでいくさま」を面白がっていて、趣味悪いな~と思ったけど、後になってその理由がわかりました。
★そして再びの脅迫メール。5年前の土砂災害現場での罪を告白しろ、というものだった。ここで桧山はその「罪」を言い切ることができず、ついに犯人に口止めされていた娘の誘拐をしゃべってしまった。
★ゆうあはどうなるのか。「殺す」とメールには送られてきたものの、ゆうあは無事でした。ゆうあを誘拐していたのは桧山の付き人である武部で、ジョーカーの仕業に見せかけて誘拐事件を起こしていた。彼はゆうあに危害を加えるつもりはなく、局の仮眠室に寝かせていた。
★今回の事件の軸は、5年前の土砂災害にさかのぼります。この土砂災害では、2名が死亡していました。一人は介護施設で働いていた山本ひかり。一度は避難をしたひかりは「忘れ物を取りに行く」と言って施設に戻り、そのまま土砂に巻き込まれて亡くなっていた。そしてもう一人は見舞客の大田原。大田原は伊地知の秘書だった。当時施設には伊地知の母親が入所しており、伊地知とともにここを訪れていた。
★この施設でひかりとともに働いていたのが桧山の付き人武部だった。ひかりは当時、伊地知から性被害を受けていた。泣き寝入りすることなく証拠を押さえて訴える準備を進めていたひかり。証拠となる音声データがUSBに記録されており、ひかりはそれを取りに行ったのだった。
★そして災害現場を訪れていた桧山は、土砂に流されたUSBを発見していた。武部はジャーナリストの桧山の手にUSBが渡ったことで真実を明るみにしてくれると信じていたが、桧山は性被害の事実を糾弾することはなかった。それどころか伊地知との取引にUSBを利用し、あかりの死を美談に仕立て上げて自らはキャスターとして名を挙げる道を選んでしまった。この取引があった(桧山に脅されていた)から伊地知は桧山の窮地を面白がっていたんだね。
★実際は、桧山は私利私欲というよりも「本当の政治」を伝えたいために伊地知と取引をしていたんだと思うけど、やっぱりあかりの死を結果的に利用する形になったことはさすがに擁護できない。ただ、「政治家のスキャンダルばかり」追いかける風潮を憂いていた、ということは理解できなくもないかな。もちろん伊地知のやったことは当然糾弾されるべきだけど、個人や家庭の範囲にとどまる過ちでさえも、第三者がここぞとばかりにたたき散らすの、私は結構うんざりしています。
★ちょっと話がそれました。ともかくいくら信念があろうとも、あかりの死を美談にしてしまったことを武部が許せるはずはありませんでした。自分が間違っていたことを認め真実を自らの番組で話すことを決意する桧山。USBの隠し場所を武部に教えます。
★と、ここでそのやり取りを聞いていた男=ターミネーターが登場。この人誰なんだ??桧山家のお墓に隠されていたUSBは彼の手に。
★「ターミネーター」が武部とグルなのか、はたまた伊地知の部下なのか、USBを伊地知に渡すターミネーターこと柘原。うーん、誰の仲間なの??ギリギリまでわからないところがまたよい。
★柘原の正体は元自衛隊員であり、あかりの兄でした。災害現場で武部と知り合い、あかりの復讐を実行することに。その一環で伊地知の秘書としてもぐりこんでいた。そして柘原は、災害のどさくさに紛れてUSBを探していた伊地知の秘書大田原が、USBを取りに来たあかりを殺そうとしていたところを目撃していました。その瞬間、土砂が流れ込みあかりと大田原は亡くなったのでした。
★美和子、小手鞠、そして伊地知の妻怜子が参加するコンサートの会場には伊地知の姿が。そしてそれを狙う柘原。ライフルに手をかける柘原を、特命の二人が間一髪で止めることに成功しました。
★伊地知の命を奪うことはできなかったものの、むしろ生かしておいた方が生き地獄でよかったんじゃないかな。USBの音声データを流出させて政治生命を絶ったわけだし。いや政治生命どころか犯罪ですね。すべてを知った怜子の特命係を使った伝言「二度とその口で政治を語るな!」はしびれた。怜子さんかっこいい。美和子や小手鞠と親しくしている描写があったし、夫の失脚で自分の地位も危うくなり取り乱す…とかっていうタイプの人ではなく筋の通った人だったね。
★そしてそして、陣川ターン。紗央理の子どもはやっぱり陣川の子ではなかった。神戸期にも自分の子ではない子をわが子として受け入れる…というエピソードがあったけど、まさにそのパターン。まあいつものことだけど、やっぱり人はいいよね、陣川君。
★紗央理の子どもの父親は、柘原だった。「人を守る仕事」=警察官=陣川、じゃなくて、自衛隊=柘原、だったわけですね。妹あかりの復讐のために紗央理に別れを告げていたため、紗央理の妊娠を知らなかった柘原。罪を償って親子三人で再出発してほしい。
★生放送の最後に、自らの過ちを告白する桧山。キャスターとしての生命は絶たれたけれど、正直にすべてを語ることが結局一番ダメージが少ないやり方だったんじゃないかな。結果的に奥さんもともに生きていく決心をしたようだしね。
★右京さんが常に言っているように、真実だけが人の心を救うのかもしれません。過ちをおかしても、下手に隠そうとすればするほど傷が深くなる。やってしまったことは戻せないし、過去にも戻れない。できることは隠そうとしないこと、真実を語ること、しかないんだろうな。
★本編ラスト。冒頭の右京&陣川のプレゼントにまつわるやり取りがここで回収されるとは!右京さん、亀ちゃんにハンカチのプレゼント。ポーカーフェイスを装っても、亀ちゃんの反応が気になる右京さん→大喜びする亀に安堵する右京さん可愛い。亀ちゃんの「なんでも嬉しい」は本心だよな~。「右京さんからもらった」という事実に勝る贈り物はありませんからね。
★右京&亀山「一緒にいると大変な年越しになる」いやほんとその通り(笑)。もう相棒好例だもんね、波乱万丈の年越しは。来年はどうなるのだろうか…。
★最後に、内村&中園がおじいちゃんになっている事実にびっくり。でもまあそうか。二人に孫がいるなんて、相棒シリーズの長さが身に沁みます。
「お馬さんになっている刑事部長」「照生呼びされる参事官」最高です(笑)。
以上で終わります。