久しぶりに感想が書きたくなった回
第10話「フィナーレ」以来、準レギュラーや前シーズンで出てきたキャラクターの再登場、といった回が続きましたが「感想を書こう」という気分にはならず…。
しかし今回の第16話は久しぶりに感想を書きたくなりました。
真犯人や事件そのものよりも…
まず、被害者の「町一番の嫌われ者」役である横山めぐみさんにびっくりしました…。
横山さんといえば、season5 最終話「サザンカの咲く頃」に出演されていました。防衛省の調査官という今回のゴミ屋敷の住人とはかけ離れた役どころでしたね。
また私個人としては「真珠夫人」瑠璃子のイメージが強いです。
そんな「美しく凛とした」イメージの横山さんがこの役を演じるとは…という点がまず驚きでした。役者さんってすごい。
「どうすればよかったのか」が本当にわからない
感想を書きたくなった一番の要因がこれです。「親切心」を勘違いされるという状況の難しさに頭を悩ませてしまいました。
ゴミ屋敷の住人淳子に、何の深い意味もなく市役所の担当者としての親切心からお守りを渡した菊川。でもそのお守りが淳子のスイッチを入れてしまう結果になった。
かつて初めての「恋人」だった詐欺師山川からもらった縁結びのお守りに似ていた、赤いお守り。スタンダードなお守りであれば大体同じような形をしているし、女性にあげるのであれば赤がいいかな…と思うことも普通にあり得ること。ただただ普通の親切の範疇の行為だったのに、淳子に付きまとわれるようになってしまった。
事件解決後、「どうすればよかったのか」と問う菊川の姿に本当にどうしたらよかったのか…と思いました。よほど深い話をする間柄でない限り、相手にどんな過去があって何をどういう風に受け取るのかは未知の領域です。菊川の行為はごく普通の何の意図もないものにしか見えないだけに、そんな些細な行為が恋愛感情の執着を生むことに結びつく可能性があることに一種の恐ろしさを感じてしまいました。
恋愛だけとは限らない
感情のすれ違いは恋愛だけに限らないよな~と今回のエピソードを見ていて思いました。
友人関係であれ知り合い程度の関係であれ、こちらの意図とは全く異なる受け取り方をされることは多々あります。それが原因で今回のように執着…とまではいかなくとも、寄りかかられる、依存されるということは実際にあるんですよね…。
自分の意図や線の引き方が通用しない相手とどう向き合うことが正解なのか…。ばっさり関係を断てるならまだいいのですが、今回のように職務として人と関わる場合にはどこまで「親切」にすべきかが本当に悩ましいところです。
かといって徹底的に線を引き必要最低限の関わりのみでは、淳子がゴミ屋敷を片付けようとはしなかったでしょう。もちろん山川に似ているということが大きいとは思いますが、菊川の担当者としての熱意が淳子を動かしたことも事実だと思います。
今回のことで菊川が熱意を持って問題を解決しようとする、ということに躊躇を感じるようになるのは避けられないでしょうね…。親切を勘違いされるという経験が大きなしこりとして残ってしまうことは本当に辛いところです。
もちろん淳子も気の毒ではあるんですよね。詐欺師に騙されていたことが判明しても受け入れることができなかったのは、騙されていたことを受け入れたら自分の存在までも否定する結果になるからなのかもしれません。それほど埋めようのない寂しさを抱えていた。
お友達の存在が何とか支えになっていればよかったのになと思います。淳子の結婚を心から祝福して、詐欺師との面会にも付き添ってくれて、果てはおそらく交流がなくなった後にも関わらず、淳子の死を知りお花を持って訪れてくれた。
淳子の死を悼んでくれる存在が一人でもいたことが、今回の唯一の救いだったのかもしれません。
まとめ
第16話の感想を書きました。
今回のストーリーはザ・相棒とも言うべき「後味の悪さ」が残るものでした。すっきりさっぱり解決!とならないことこそが相棒の醍醐味と言ってもいいくらいだと個人的には思っています。
そのため視聴後は考えに考えすぎて数日ちょっと疲れる…というところまでがセットとなります。疲労を感じはするけれど、この相棒らしさが私が長年視聴を続けている理由の一つでもあります。
国家や世界を巻き込んだ犯罪、というストーリーも面白いけれど、こういう何気ない日常の中に潜むやりきれなさを題材としたストーリーは古き良き相棒を思い出させてくれるものです。
またこういう作品を見たいですね。
以上で終わります。
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