1987年廃止:国縫駅を除く10駅が廃止
1987年に廃止された瀬棚線は、国縫駅と瀬棚駅を結ぶ全長48.4kmの路線でした。6年前の2018年に訪れた際の写真をもとに、廃線跡の記録をしたいと思います。
各駅の様子(2018年撮影)
国縫‐茶屋川‐美利河‐花石‐北住吉‐種川‐今金‐神丘‐丹羽‐北檜山‐瀬棚
国縫駅

函館本線現役の駅である国縫駅からスタートします。


瀬棚線は3番ホームが利用されていました。使用していない線路が見えます。

この国縫駅ですが、北海道新幹線延伸に伴い将来は並行在来線の駅になります。第三セクターに移行するのか、旅客営業としては廃止されてしまうのか、気になるところです。
茶屋川駅
2018年に駅跡を訪れた際、駅跡に面した道路(国道230号線)が工事中で片側交互通行になっており、駅跡を確認できる状態ではありませんでした。そのため当時の写真はありません。
駅跡は函館バスの茶屋川停留所があり、時刻表で確認したところ現在も存続しているようです。google map で見ると、バス停付近に駅跡と思われる空き地が確認できました。
美利河駅

駅跡付近の写真です。痕跡はほとんど見当たりません。

花石駅

花石駅でも痕跡らしきものは確認できませんでした。

北住吉駅

正面の高台付近が駅だったと思われます。

種川駅

こちらも駅の痕跡は確認できませんでした。ただ広い敷地が残されており駅があったことを感じさせてくれます。
今金駅

駅跡地には函館バスの待合室が建てられています。函館バス今金停留所があります。

あまり遺構らしい遺構がなかったこれまでの駅に比べて、今金駅跡地には駅名標のレプリカや線路が設置されており、ちょっとした公園のようになっています。






2018年当時は、なぜか肝心の今金駅の駅名標が枠だけになっていました。現在はどうなっているのか…。

線路跡は「オランダ通り」という遊歩道になっています。




神丘駅

神丘駅は瀬棚線で一番好きな駅跡です。

ホームと線路跡がはっきりとわかります。ホーム跡は一段高くなっていますね。



こういう廃線跡に出会えると本当に嬉しくなりますね。
丹羽駅

2018年には駅前商店だった建物が残っていました。

しかし同じ角度で google map を確認すると、商店だった建物はなくなっていました。当たり前ですが街はどんどん変化していくもの。こうして昔の姿を残しておいてよかったなと思います。

北檜山駅

駅跡地はバスターミナルになっており、旧駅舎がそのまま待合室に利用されています。瀬棚線は駅を感じられる場所が少ないので、とても貴重な場所だと思います。


瀬棚駅

駅跡地には福祉施設の「やすらぎ館」が建っています。

駅名標のレプリカと48キロポストが設置されています。



まとめ
茶屋川駅だけ実際に行くことができず心残りでしたが、残りの駅跡には行くことができました。駅の痕跡が残っているところが少なく、時の流れを感じます。
一方で駅舎を再利用していたり記念碑を設置していたりと、瀬棚線が存在した歴史も感じることができました。
北海道で幼少期を過ごした私は、路線は違えど駅が存在し賑わっていた頃を実際に経験しています。あの頃を思い出しながらまた廃線をめぐる旅に出かけたいと思っています。
以上で終わります。
▼参考文献
- 本久公洋 『北海道の鉄道廃線跡』 北海道新聞社 2011.9