ネコメンタリー 角田光代さん【へにょりの謎】

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角田さんの物語

NHKの『ネコメンタリー』を時々見ていますが、先日は角田光代さんの回でした。

ネコメンタリーでは出演者の方が猫に関する文章を書き番組内で朗読されるのですが、エッセイのような形が多かったように思います。

角田さんの書いたものは物語でした。猫又の謎という導入部分から、一体猫の「ちょこり」が24歳を迎えた時に人間の言葉で何を話すのかが気になって、物語に聞き入ってしまいました。

猫又の謎とは、猫が24歳を迎えた時に、たった一度だけ「人間の言葉」を話すというもの。それは本当に一言で次の瞬間には「猫語」に戻ってしまい、その後どれほど長生きしても人間の言葉を話すことはないのです。

なお物語の主人公に猫又の謎を教えてくれた先輩の猫は「ささみよりアジ」と言ったそうです(笑)。

「へにょり」

24歳を迎えたと思われる頃、主人公はいつ「ちょこり」が人間の言葉を話してもいいように毎日「聞いてみたかったこと」を尋ねます。それは「この家でよかった?幸せだった?」ということでした。

同じように話しかけていたある日、ちょこりが言った言葉が「へにょり」。

これは何?どういう意味?と主人公のみならず私も???となりました。

しかし主人公は次の瞬間その言葉が何を意味するのか理解しました。それは「ちょこり」が主人公を呼ぶ名前であるということに…。

ああそういうことなのか。

「ちょこり」の名前の由来は、出会ったときに猫が「ちょこりと」座っていたからでした。そこから始まった「ちょこり」という名前。

主人公には名前があります(確かトモエ?)。でもその名前ではなく「ちょこり」が彼女を呼ぶ名前は「へにょり」。この由来が詳しく説明されることはありません。「へにょり」って何だろう。「ちょこり」は彼女の何を見て「へにょり」と名付けたのだろうか。

どうやら自分のことであるらしい「ちょこり」に対して、音の響きが似ている「へにょり」。そこに何らかの説明は不要です。「ちょこり」と「へにょり」。対になっているような名前を呼び合う二人の存在そのものが「説明」なのだと思います。

「ちょこり」が「へにょり」と彼女を呼んでいたことは、彼女の疑問「この家でよかった?幸せだった?」の答えにもなっています。物語中では「そんなことはどっちでもいい」と思うに至っておりその通りですが、「ちょこり」が彼女を同じ響きの「へにょり」と呼ぶことが「この家でよかったのか」の何よりの答えであると私は思いました。

30分番組の中のほんの短い物語ですが、映画を見たかのようにその世界に浸ることができました。元司書なのに実はあまり現代小説を読まないのですが、久しぶりに作家さんの構成力や世界観のすばらしさを体感できてうれしかったです。

動物との暮らし

ネコメンタリーを見ていると猫との暮らしに憧れはするのですが、どうしても別れが怖くて一歩踏み出すことができません。今回の角田さんが描いた物語でも、始まりからなぜだか泣けてきて号泣状態で番組を見ていました(汗)。多分その先にある「別れ」を人一倍想像してしまうからだと思います。

フィクションでも、他の人の猫との暮らしでも別れの辛さを思って号泣しているのに、自分だったらとても耐えられそうにないと思ってしまうのです。

でも猫や動物と暮らしている数えきれないほどの人たちはそれを受け止めてその暮らしを全うしているんですよね。いつか私にもそれを決意できる日が来るのか…今はわかりません。

それでも自分の全責任をもって受け入れた動物を愛する生活の尊さは何物にも代えられないと思っています。

まとめ:来週は小山宙哉さん

ネコメンタリーの角田光代さんの物語について書きました。

来週は『宇宙兄弟』小山宙哉さんの回です。予告で漫画を描くシーンも出てきていて(ムッタだった)、おお~と思いました。

仮に小山先生が猫を主人公にした漫画をスタートさせるのなら絶対に買います。来週も楽しみです。

以上で終わります。

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